またこんどいっしょに

バリ人の友だちが死んでしまいました。
わたしが大好きなレストランで働く人でした。

病気だった彼はもう三ヶ月ほどお休みしているって聞きました。
お見舞いに行くというのを聞いて、「ぜひに」と連れて行ってもらいました。
わたしはインドネシア語はちょっぴりしか話せません。
心が弱っていて頭の中で考えることを止められない様子で、聞くことは少しくらいわかるけれど、気の利いたことはおそらく話せないだろうと思って、阿弥陀さまの絵を描いて持って行きました。
バリの神様には付いててもらってるだろうけど、これは日本の神様だから。どんな人のことも大丈夫にする神様だよ。
寝室に貼ってもらうお願いしました。
絵を渡すことと、楽しみに思っているのを伝えて、ハグするなり手を握るなり「触れなければ」と思って行ったので、帰り際に握手をしました。
一緒に行った友人に話し続けていて、わたしはじっとそばに座っていただけ。

庭にある池に、彼が作った日本風の竹を使った添水から流れる水に気がついて「これはクトゥットがつくったの?」と聞いたら笑顔で「まだ勉強しないとね」と答えてくれた。
わたしはホッとして、またたづねて行って何か一緒に作ったりしたらいいかもしれないと次回バリに行った時は、この村に滞在するのも計画に入れようとのんきに思った。

とても仲が良かったわけではないのですが、彼が居ていつも安心したし「あ、今日は居るね♪」となんとなく嬉しい気持ちになる仲間の一人。
わたしがバリでいつも嬉しいのは、彼のおかげでもあるとしみじみと思った。

美しく整頓されていて、チリひとつない家だった。
傾いたり曲がったりするものはなく、見晴らしが良く剪定された庭。優しく静かな家族。
彼はすごくすごく真面目で、いつも考え工夫する人。
原因のわからない体調の不良に本人が一番苦しんでいることは明らかだった。
誰もが彼の心の平安を願い、ゆっくりで大丈夫だと声をかけたと思う。
ざわざわした。

帰国してしばらくして、自ら命を絶ったと知らされた。
今彼は、何もかもわかってきっと平安だと思う。
阿弥陀さまも歓迎してくれているに違いない。

こんど会ったら一緒につくりたい。
とても器用で仕事はうつくしい。
そういう心を持っている。
また会えることを願う。

だいじょうぶ。

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