今日、私は日本全国、愛が深くて勇気がある強い人しか居ないと決めた。

3.11から、自分の出来る事は絵を描いて放射能から
命を守る事だと描き続けています。
私の絵が、辛い母親の気持ちを押しつぶさないか、
責められていると考えさせないか、弱ってしまわないか
公表して自由に使うことを認めたら悪用する人がいないか。
一個づついちいち考えた。
とうてい私には、放射能のまっただ中とどまる気持ちはわからないけれど、
何か私にはわからない理由があるのだとおそるおそる気遣ってきたけど。

いろいろな人に出会い、いろいろなことがあって、このたび、
全ての人には、かしこく、勇気があって、愛情深く、
全てを乗り越える強さがあるという事にしました。
それは何故か。

こんな経験が無いだろうか?
信頼した最高のパートナーと仕事する時、
スピーディーに思い描いたものよりすばらしいものが出来る経験を
誰もがしたことあるんじゃないかな?
その時、相手に難題を放り投げるのに躊躇する?
つまらないうわべの気遣いなんて、一切しなくても何の問題も無く。
どんな難題でも、こいつならやってくれると信頼したし、そう思われる事に喜びと誇らしさを感じたことはないか?

それとは逆に、
自分も人も、弱いかもしれない、出来ないかもしれない、
自分さえ良ければいいかもしれない、
浅はかかもしれない、意地悪かもしれないと思っていたらどうだろうか。

今見渡すと。問題解決や先に進む事、
良く、新しく変わっていく事の足を引っ張るのは、この考えだと思う。

考えはそれぞれ違うだろうけど、今、おかしいとは思わんか?
この国は、困ったり、命の危険があった時、当然に何をおいても全力で国民をたすけると思っていた。
ところが、三ヶ月も経って、子どもが被曝し続けてる。
こんな国のどこが正しく健全だろうか。正常だろうか?

これこそホントの想定外だ。地震、津波、原発事故より、
それこそが私はショックだった。

私は、日本という国と、日本にくらす人は原発が壊れるように、
経済も社会も自分の持っている常識も壊れたと思っている。
初期設定「日本国民全員バカ」のマニュアルで進んで来た壊れたシステムに
助けを求めたり、修復の手間をかける無駄はしたくない。
じつに下らない議論が後を絶たないのは、そのせいだと思っている。

まずは、気がついた者から、自分の力を信頼したい。
そして人の力も信頼したら、やりようがあるじゃないか。
他も信頼して、しょうしょうキツい状況も遠慮なくどんどん投げつけたい。
どんどん進みたい。
必ずやり遂げられる。
そういう人が増えていって今の状態から全てを引き上げるのだと思う。

政治も経済も後からついてきやがれ。
子どもには戦時の空襲警報が出ている状態だというのに、
空気なんか読んでられるか。

唐突ですがそう思っています。
絵を描く事も、モノをつくる事も、そういう姿勢でやっていきたい。
私は強いから、変わる事など恐れんぞ。

きょうも腹のすわってきた女性たちとたくさんやりとりした。

みんなすごい。

こういう人たちが腹の底から日本を変えると思う。

コメント (9)

  1. 高原 千尋 より:

    柚木さんのイラスト「あかいつぶつぶ」をブログで使わせていただいております。小学生の娘も放射線の意味が具体的にイメージできたようで「こういうこと」と復唱しています。
    素晴らしい想像力に感謝申し上げます。

    「子どもには戦時の空襲警報が出ている状態だというのに、
    空気なんか読んでられるか。」
    その通り!と強く思います。この問題に関心を持たない人の感性に驚きを禁じ得ませんが、へこたれずに訴えかけていきましょう!
    柚木さんのますますの活躍に期待しております。
    よろしくお願い致します。

    P.S.プールの汚染を表すイラストがあると助かるのですが・・・

    • yugi misato より:

      プールの汚染を示すイラストのリクエスト、多いです。
      必要かもしれないと思いはじめました。
      さっさと描かなかった訳は、
      プールの危険が理解されないという事は、「もっと深刻な事も学校や保護者が理解していない」ということになるのではないか。
      それならば、
      不理解な人たちには、プールの絵を使って訴える人が、「大げさな人」にされちゃわないかな、と心配したわけです。
      私たちは、放射能が危険で、どうやって汚染させるか、今学校がどれほど無防備で危険か知っているから、
      「したがってプールも危険だである」と思えるわけやね。
      あかいつぶがたくさんの人に、有効に使われ続けるためにも慎重になる。
      あかいつぶつぶの絵は、プールを描くその前に、プールも危険だと連想できる正しい知識を持ってもらう事にエネルギーを向けるのがいいのではないか。
      私は、その事を先に描くべきじゃないか。
      などと色々考えています。
      でも、
      プールを休む理由を子どもに説明するには有効です。
      それでも、子どもに放射能がある事を理解してもらって、親子で話考えていくことが最も重要。
      大事な時間をショートカットしてしまう気がする。
      うだうだ考えてる暇があれば、描けばいいのですが、色んなシーンを想定して描いているのでいつも一つずつ悩んでいます。
      う〜ん。

  2. 高原 千尋 より:

    深く考えられているからこそ、胸にストーンと落ちるイラストが誕生しているのですね。
    あらためて柚木さんの心根に敬意を表します。

    私も、危険を理解してもらうために心血を注ぐことが大切だと思っています。「うだうだ考えてる暇」こそ、尊い瞬間だと思います。悩み苦しみ、生み出すことにこそ価値があるのだと思います。
    プールの絵は柚木さんが本当に必要と思われたときに描いていただければよいと思います。

    ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

    • yugi misato より:

      やっぱり描くことにした。
      もう十分深刻だものね。
      「一粒だって体内に入れたくない。」
      そこを目指さなきゃならん。(キッパリ)
      みなさま、
      ご使用は、華麗に知的に愛を振りかけて。

  3. sisi より:

    本当に同じ様に感じていました。
    私はバリ島に今暮らしているので、そこから日本が危険である、と言うのは色んな事情があって移動出来ない人、そして日本に暮らす自分の家族がどう思うのだろう、と。

    尊敬してるウブドのYさんが「もう嫌われてもなに思われても構うか!暴れて吠えてやる!」の言葉を聞いて、そこまで腹が据わらないけど、もっと声をあげていこう、と思いました。

    全員は救えない。だけど、いろんな事へ「踏み切る」最後の一押しに私の声がなるかもしれない可能性を信じて発信して行きたいです。

    • yugi misato より:

      ありがとう!
      まずは、自分の地震や勇気を育てやすい人から育てて、
      その気持を膨らませれば、「ほんとうは持っている強い自分」にまだ気がつけていない人も引き上げられる気がします。
      自分の中で生まれた勇気を宣言する事で、それを見た人も一歩踏み出せるかもしれないもんね!
      みんな本当は強い!ただ気づいていないだけ!そう思っています。^^
      皆が憧れる「あの人」は明日の自分かもしれないわけですよ。
      ステキでしょう?

  4. おおたがき@80kame より:

     「あかいつぶつぶ」を初めて見たのは「6.11」の集会、図書館で「週刊金曜日」の表紙を目にした日に、「ズナマ歌踊祭」で再会しました。
     「あかいつぶつぶ」を見た感想、まだ頭の中で整理できていませんが、このブログには注目していこうと思っています。

  5. かな より:

    赤い粒々、わかりやすい良い表現ですね!
    でも現実はもっと酷い、子供達は公園を転がり、砂かけあって全身砂まみれ、いじめっ子が子供の口に砂を入れ、雑草やツツジの蜜を平気で吸う。赤い粒々の絵にしたら、全身真っ赤、口の中も腹の中も粒々だらけ…。
    ぜひそこまで描いて欲しいです!!

  6. おおたがき@80kame より:

    第2信です。

    「あかいつぶつぶ」最初の印象
     やられた感が90%(先手必勝、やったもの勝ち)の一方、やってしまったか感が10%(反発予想、大丈夫か心配)ありました。

    「あかいつぶつぶ」単純さ
     赤と黒の2色のみ、一見たどたどしい太い線で描写、これ以上の省略は無理かと思えました。

    「あかいつぶつぶ」強烈さ
     Web上の「脱原発ポスター展」(6/21現在436点)では理屈っぽい作品が多いのに対して、これは頭で考えていない(ほめ言葉です)ようで、感性に訴えかける面が強く、フクシマの心理が伝わってきました。

     という私見、読み捨てご容赦です。

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