愛しい秩序
数日前、友人の家へ向かう途中雨に降られて雨宿り。
ワルンに避難してテボトルを冷蔵庫から勝手に出して栓を抜くと、隣でインスタントラーメンと揚げ煎餅を食べてたおばちゃんがストローをさしてくれる。
あやしい駄菓子が並んでいる。いろいろあるプラパックの中から黄緑色のもっともあやしいのを一個取り出して、おばちゃんに「これおいしい?」(これ食べるでねと見せるため)と聞くと「エナ(おいしい)」必ず答えるという儀式を済ませてモサモサいただいた。
別に見せなくても後でこれ食べたでねって言えばいいんだけどね。わたしは「しょうこ」を提示したくなる。
おばちゃんは、どこにいくのか、どこに泊まっているのか、いつどこからきたのか、いつまでいるのかを聞く。みんなが聞く。なぜ聞くのかわからないけど、とにかく聞かれる。よく喋る人だと家族構成からこどもの職業まで個人情報を知ることになる。
すれ違う人と目があうとニコッと笑って目配せをしてくる。こっちもニコッと目で合図を返す。(おもわず釣られる)ほんとはどうかはわかんないけど、「いい日だよ」「きげんがいいよ」と植え込まれていくような気がする。
初めて行く店でお財布忘れても「後でいいよ」とわたしが止めても次のガソリンボトルも入れてくれる。
もちろん、どこにもいろんな人がいるんだけど、
わたしは疑われる設定で考えている。
この人たちは信じる設定で生きてる。
気持ちがいいのでずっと続くように、機嫌よく正直で疑わない人になりたくなる。わたしはこういうのを愛しい秩序と呼ぶ。
ほんとうは、秩序を守るために、厳しくする必要は無いと思う。