わたしのことをきめないで

わたしは、
右へ行くつもりでも「右に行ってね」って言われたら
さも左に行きたかった顔をして左に行く。たぶん。

「なんなん!そのいらんせわ!」ってかなり幼い頃から記憶がある。
幼子が、そんな細かいことなんで気にする。

小学二年生くらいか
「ポシェット」というものをはじめて自分で選んで買う時に。
私は四角いものが好きで、色も寒色系が好きだったから
ステッチの効いたブルーの縦型蓋つきバッグを選んだ。
母は「これがいいんじゃないの?」と茶色いバックスキンの丸っこいバッグを差し出した。
インディアンっぽいビーズが少しだけついてて、使いやすくセンスも良かった。
今ならそっちを選んだと思う。

ブルーのバッグを肩にかけるたびに「茶色の方が良かったのに」と
母の顔が浮かんだ。

10代の終わりの頃、
ちょっとした事件に巻き込まれ怪我もしてヨボヨボで帰省していたとき。
弱っているのか、大丈夫なのか、自分でもぜんぜんわからないでいた。
出かけようと玄関で靴を履いていると、母が、
「そのベルトで行くの?」と声をかけた。
わたしは、とつぜんわっと泣き出した。
「もう、そんなこと言わないで」
母はたいへんびっくりしていた。
わたしの方がびっくりだわ。
泣くこたないだろ。
泣くほどのことかい。
泣きながら自分に突っ込んだのを覚えている。
たしかに、とてもとても、かなしかった。

いまだに、
自分の選ぶことを他人に決めつけられるのに
非常に抵抗がある。
会社のスタッフにもいちいち流さないで指摘したので
ずいぶんうるさかっただろう。

このこだわりがあると、日本社会ではほんとにピリピリする。
自分に関係ないのに、他人のことを、選んだり決めたり希望したり当たり前にするからだ。
それが現実に影響しない遠くからでも、永遠に「〜のほうがいいのにね」などと話し合うのである。

ああ、いやだ。自覚ないいらんせわ。

ああ、めんどくせぇなわたし。

もぉ〜、よかったぁ〜。本人で。

やっと最近、自分でもできるようになった。
自分に関係ないのに、他人のことを、選んだり決めたり希望したりしない。
もちろん、しあわせは願うよ。

熱が下がって爽やかな朝に、けっこう性格悪い自分を自覚。
しゃぁない。こうなるにはそれなりの理由があるのよ。

%e5%86%99%e7%9c%9f-2016-12-08-19-53-00

「このっ!どてカボチャ!」
と、いうことでカボチャのみなさまを描いてみました。
いがいに愛くるしい。

%e5%86%99%e7%9c%9f-2016-12-09-22-27-12

「あんたなんか、あんぽんたんよっ!」
と、いうことで、あんぽんたんのみなさまを描いてみました。
きゃっきゃ言うてはります。
愛おしいですね。

ようよう考えたら、わたしも誰かの性格が悪くても困りませんもん。
なんで、そこそんな壊れるのか、人って面白いですね。
あ、嫌なもんを嫌って言うのはお約束ですよ。

犠牲にならないように居られる自分ってことも最近よく考えます。

よろしければコメントを残してください

CAPTCHA


訪問中 :